白色の太陽光
太陽光は赤・橙・黄・緑・青・紫が連続して混ざった白色光。 プリズムを通すと虹色に分かれます。
Headline
青は「拡散しやすい光」、空は「巨大な拡散装置」。
どこを見ても青が届くのは、波長の短い光が大気のあちこちで何度も散らされるから。 色の主役は散乱と吸収のせめぎ合いで決まります。
Mechanism
白色光・大気分子・波長依存・観測方向。空の青は、どれが欠けても成立しません。 まずは登場人物を揃えます。
太陽光は赤・橙・黄・緑・青・紫が連続して混ざった白色光。 プリズムを通すと虹色に分かれます。
窒素 N₂・酸素 O₂ といった分子は、可視光の波長より遥かに小さなターゲット。 この極小サイズがレイリー散乱を生みます。
散乱の強さは波長の4乗に反比例。波長が半分になれば散乱は16倍強くなる、 極端な波長依存性を持ちます。
真上を見れば散乱光(青)が、太陽方向を見れば直達光(白〜赤)が届く。 観測方向で見える色は変わります。
I ∝ 1 / λ⁴
波長 λ が短いほど散乱強度 I は急激に増える。青は赤の約10倍散らされる。
T = exp(−τ · sec θ)
太陽高度 θ が低いほど大気路長が伸び、青はほぼ消えて赤が残る(夕焼け)。
Models
粒子のサイズ r と光の波長 λ の比 x = 2πr/λ が散乱の振る舞いを決めます。
分子サイズ。波長依存が強く、青〜紫が前後左右に等しく散らされる。
波長と同程度の粒(雲粒・ダスト)。波長依存が弱く前方に強く散る。
粒子が十分大きい領域。反射・屈折で記述でき、虹や日暈などを生む。
Why blue, not violet
1/λ⁴ 則だけ見れば紫が最強のはず。でも空が青く見えるのは、 物理・生理・大気が同時に働くからです。
太陽スペクトルは可視域では青〜緑がピーク。 紫の成分はそもそも青より少ないため、散らす元が不足します。
視細胞 S 錐体は青に強く反応するが紫域では感度が下がる。 紫の散乱光は届いていても「見えにくい」。
オゾン層などが紫外〜紫寄りを吸収。 散らされた紫は到達途中で減衰し、青が勝ち残ります。
Sun angle
太陽高度が下がると大気路長は伸び、空の色は連続的に変化します。
路長が最短。直達光は白に近く、横方向の散乱光(空)は深い青に染まる。
太陽が低くなり大気を斜めに長く通る。青が散らされ尽くし、橙〜赤が直達光として残る。
路長は最大。残った長波長が雲に当たり、雲底を赤く染める。空の色は青と橙のグラデーション。
Interactive
太陽高度・大気の濃さ・粒子の種類を変えて、空の色(散乱光)と 太陽の色(透過光)がどう動くか確かめましょう。
太陽が高く大気を真っ直ぐ突き抜けるので、青の散乱光がくっきり広がっています。
読み方: 上半分は空の色(散乱光の積算)、太陽の輪は透過光。粒子タイプを動かすとレイリーから ミー散乱へと振る舞いが変化します。
Across the solar system
散乱の主役と吸収体が変われば、空の色も変わります。色は大気の指紋です。
分子レイリー散乱が主役。1/λ⁴ で青を撒き散らし、空全体が青に染まる。
酸化鉄ダストによるミー散乱と吸収で青が削られる。太陽の周りだけは前方散乱で青く見える逆転現象も。
水素・ヘリウム大気の上に薄い有機ヘイズ。青を少し削り、パステル調の黄色になる。
窒素+メタンから生まれるトリン(複雑有機エアロゾル)が青を強く吸収。重ね合わせで濃いオレンジに。
Next steps
大気・光・統計の視点でさらに掘り下げる。