Ising / Critical Phenomena
局所ルールから、
全体の秩序が生まれる。
イジングモデルは、格子上の小さな磁石が上向きか下向きの 2 状態だけを取る、統計物理の基本モデルです。
隣と同じ向きになりたがる相互作用と、温度による熱ゆらぎが競合すると、低温では整列し、高温ではランダムになります。
イジングモデル
各マスのスピンは上向きか下向きだけを取ります。温度が低いと同じ向きの塊が育ち、高いと熱ゆらぎで崩れます。外部磁場を入れると、片方の向きが少し有利になります。
パラメータ
簡易モデル: ハミルトニアンは H = -J Σ s_i s_j - h Σ s_i と考え、ランダムに選んだスピン反転を Metropolis 法で受理しています。ここでは J > 0 の強磁性的な場合だけを扱います。
温度を上げると整列が崩れやすくなります。T ≈ 2.27 付近では大きな塊ができたり崩れたりするゆらぎが見えやすくなります。
Core Idea
隣と同じ向きになりたがる力と、熱ゆらぎで崩す力の競合が、相転移をつくる。
イジングモデルは、磁化、臨界現象、相関、スケーリング、さらにはボルツマンマシンのような確率モデルへつながる入口です。単純なのに、秩序がどこから生まれるかをかなり深く教えてくれます。
Model
イジングモデルで計算していること
格子上の各スピンは +1 か -1 だけを取り、近くのスピンと同じ向きだとエネルギーが下がります。温度は、その秩序をどれだけ壊しやすいかを決める量です。
01
スピンは 2 状態だけ
各格子点のスピン s_i は +1 か -1 のどちらかだけを取ります。小さな磁石が上か下を向くイメージです。
02
ハミルトニアン
H = -J Σ s_i s_j - h Σ s_i と考えます。J > 0 なら隣同士は同じ向きになりたがり、h は外部磁場として片方の向きを有利にします。
03
磁化は全体の偏り
M = (1 / N) Σ s_i で全体の向きの偏りを測ります。M = 1 なら全て上、M = 0 なら上と下がほぼ打ち消し合っています。
04
Metropolis 法で更新
ランダムに 1 つ選んで反転し、エネルギー差 ΔE を計算します。ΔE が小さければ受理されやすく、確率 exp(-ΔE / T) が温度の意味になります。
Observations
見ておくと面白い観察ポイント
単に赤と青の模様を見るだけでなく、どの条件で磁化が立ち上がり、どこで壊れるかを追うと、相転移の直感がかなりつかめます。
低温では大きな塊が育つ
温度を下げると、同じ向きのスピン同士がまとまりやすくなり、赤か青の大きな島が残りやすくなります。
高温ではランダムにほどける
温度を上げると、エネルギー的に不利な反転も起こりやすくなり、全体の磁化はゼロ付近へ戻っていきます。
臨界付近ではゆらぎが大きい
T ≈ 2.27 付近では、秩序と無秩序の境目に近づくため、大きな塊が突然崩れたり再形成されたりしやすくなります。
外部磁場は小さくても偏りをつくる
h を少しだけ正や負に振ると、完全なランダムではなく、片方の向きがじわっと有利になります。磁化の符号がどちらへ寄るかに注目してください。
Next Steps
イジング模型から広げるなら
相転移の入口としてイジング模型を見たあと、連続角度を持つ磁石の配向や、モデル化そのものの考え方へつなげると理解が広がります。