Interactive

左から来る光が、どこまで曲がり、どこから落ちるかを見る

質量と回転を変えながら、ブラックホール近傍での光の軌道を 2D 近似で描きます。上の大きなキャンバスは軌道図、下の observer screen は右端の観測者が受け取る見え方の近似です。水色は曲がって逃げた光、金色は巻き込まれて事象の地平面へ落ちた光です。

1.4

M を大きくすると、事象の地平面と光子球が広がり、近くを通る光がより強く巻かれます。

0.35

0 は非回転です。正なら上側の光がより巻きやすい Kerr 風のフレームドラッグ近似、負ならその逆です。

65

本数を増やすと、どの衝突パラメータで捕獲に切り替わるかが見やすくなります。

1.0

教材用の調整ノブです。1.0 が基準で、高いほど曲がりを強調します。

1000

大きいほど遠くまで軌跡を追えますが、描画に時間がかかります。

現在の見どころ

凡例

  • 黒い円は事象の地平面 r = 2M
  • 点線の円は光子球 r = 3M
  • 水色の線は曲がって逃げた光
  • 金色の線は捕獲された光
  • observer screen は「右端の観測者のスクリーン切片」を近似表示したもの

Simulation

ブラックホール近傍の光線

再生中
左端から平行に入る光 光子球付近で大きく曲がる 近すぎる光は地平面へ落ちる

Observer Screen

右端の観測者が見る空の切片

observer / 非回転

逃げてきた光だけをスクリーンへ写し、中央の影と回転による偏りを教材用に強調した近似表示です。厳密な Kerr 画像生成ではなく、上の軌道図から作った observer view です。

事象の地平面

2.80 M

光子球

4.20 M

順行側の光子軌道

4.20 M

逆行側の光子軌道

4.20 M

捕獲された光

0 本

逃げた光

0 本

最小接近距離

--

臨界衝突パラメータ

--

影のずれ

ほぼ対称

Black Hole / Null Geodesic / Photon Sphere

光は、
重力でどこまで曲がるのか。

ブラックホールの周りでは、物体だけでなく光の進む向きも大きく変わります。
このページでは、左から平行に入る多数の光線を飛ばし、少し曲がって抜ける光子球の近くで大きく巻く事象の地平面へ捕獲されるという 3 つの振る舞いを見比べます。

  • 光子球 r = 3M の近くでは、光が何周もしそうなほど強く曲がる
  • 衝突パラメータが小さすぎる光は、事象の地平面 r = 2M を越えて戻れない
  • 回転ノブを上げると、順行側と逆行側で巻きやすさがずれ、observer screen の影も左右非対称になる
  • 一般相対論の厳密解をすべて再現せず、光の有効ポテンシャルと Kerr 風の偏りを使った教材近似で可視化している

Photon Sphere

大きく曲がる境目は r = 3M 付近

光子球そのものは不安定ですが、この近くを通る光は長く滞在し、わずかな違いで逃げるか落ちるかが分かれます。

Impact Parameter

入射位置の差が、光の運命を変える

遠くを通る光は少しだけ曲がって抜け、近すぎる光はブラックホールへ巻き込まれます。境目はとても鋭敏です。

Core Idea

ブラックホールは「ものを吸い込む穴」というより、光の進める未来の地図そのものを曲げる領域として見ると理解しやすい。

このシミュレーションは、光の有効ポテンシャルで残る部分だけを使って、逃げる・巻く・落ちるの切り替わりを見やすくしています。

Reading

まずは 4 つの視点で見る

式の前に、どの差を見ればよいかを押さえると、このページの狙いがかなり分かりやすくなります。

View 1

遠い光は、少しだけ曲がる

ブラックホールから十分離れた光線は、進行方向が少しだけ曲がるだけで右へ抜けます。重力レンズの直感はここから始まります。

View 2

光子球付近では、大きく巻く

r = 3M 付近をかすめる光は、ブラックホールのまわりを巻くように進み、軌道の曲がりが一気に強くなります。

View 3

近すぎる光は、事象の地平面を越える

軌道が内側へ入りすぎると、光でも外へ戻れません。シミュレーションでは金色の線がそこへ落ちていく光です。

View 4

境目はなめらかではなく鋭い

入射位置を少し変えただけで、逃げる軌道から捕獲軌道へ切り替わります。これが不安定な光子球の特徴です。

Observation Tip

質量 M を上げてから、光線の本数を増やし、金色へ変わる境目を探すと見やすい

まず M を少し大きくして曲がりを見やすくし、その後で光線の本数を増やすと、捕獲と逃走の境目が光子球付近に集まっていることが見えてきます。

Approximation

このページで使っている近似モデル

ここでは、シュワルツシルト時空でのヌル測地線を基礎にしつつ、回転ブラックホールらしい非対称性を Kerr 風の有効項で足しています。observer screen も、上の軌道から到達光だけを写して作る教育用近似です。

Orbit Equation

d2u / dφ2 + u = 3Mu2

u = 1 / r とおくと、光線の平面軌道はこの形で表せます。このページでは Runge-Kutta 法で数値積分しています。

Key Radii

事象の地平面: r = 2M 光子球: r = 3M 臨界衝突パラメータの目安: b ≈ 3√3 M

光子球は「ちょうど回り続ける」理想的な半径ですが、不安定なので少しずれるだけで逃げるか落ちるかが分かれます。

Kerr-like Extension

r+ ≈ M (1 + √(1 - a*2)) rphpro / retro ≈ 2M [1 + cos{(2/3) arccos(∓|a*|)}]

a* = a / M を回転パラメータとして、順行側の光はより内側、逆行側の光はより外側までしか安定に回れない、という Kerr の特徴だけを取り入れています。

Kept

残しているもの

光子球、事象の地平面、衝突パラメータによる軌道差、近くを通るほど曲がりが強くなるという一般相対論の核心です。

Simplified

単純化しているもの

完全な Kerr 測地線、偏光、周波数シフト、降着円盤の流体計算、厳密な観測画像生成は入れていません。回転による非対称性と observer 視点の差だけを教材として取り出しています。

Lens Strength

レンズ強度ノブの意味

レンズ強度は教材用の強調パラメータです。1.0 で標準的な見え方にしつつ、強めると境目の切り替わりを見やすくできます。

Reading

何を比較すると良いか

遠くを通る光、光子球ぎりぎりを通る光、捕獲される光の 3 本を比べると、ブラックホール周りの幾何の違いがつかみやすくなります。

Next Step

ブラックホールの他の見方へつなげる

このページは「光の進路」側から見た入口です。因果構造、内部、図解の読み方へ進むと、同じブラックホールでも違う見え方になります。